製品・サービスの価格設定は事業活動の中で明暗を分ける重要な要素になります。
事業活動の中で、どのように価格設定をすれば良いかについて見ていきたいと思います。
価格設定の方法
価格設定には次の2つの方法があります。
- 原価計算式
- 価値計算式
原価計算方式
原価計算式はその名の通り、製品・サービスを作るためにかかった原価(固定費・変動費)を計算し、その上で利益を乗せ、価格を設定する方法です。
基本的に原価より価格を下げることは赤字を意味しますため、他の事業の柱があり、そのための宣伝や在庫処分等で売りきりたいといった場合以外は、原価より高く価格を設定します。
原価計算方式は一見、根拠が明確なようですが、原価に対して利益率10%というような形で利益率を何%というところの基準に全く根拠がありません。
価値計算方式
もう一つの手法が価値計算方式です。これは顧客にどれだけの価値をもたらすかという指標で表します。これは一見難しい方式のように感じますが、顧客が現在、使っている製品から置き換えた場合にどれだけのメリット・価値があるのかという視点で考えることができます。
競合製品の価格から考えるのも価値計算方式となります。
価値計算方式は単純に価格設定をするという行為だけでなく、サービスがどうあるべきか、どうすれば価値が高いサービスになるのかという顧客視点にたった活動とセットとなるため、結果、サービスの価値やブランド力向上にもつながります。
欧米では物の価値、考え方、ポリシーや歴史を踏まえて価格を設定するという考え方が主流です。
ブランド戦略に通じる価格設定
価格設定はブランド戦略にも通じます。
人は価格が高いものに価値を感じ、低いものに価値を感じない傾向にあります。
無償で勉強できる教材は有益であっても真面目に勉強しませんが、お金を払うと勉強するという行為につながります。
また、価格設定におけるブランド戦略は対顧客だけでなく、仕入先、社員、株主に対してブランドの意識付けでもあります。
価格が高いサービスを提供している企業の社員は身だしなみや応対にも気をつけるようになります。
価格設定をするということはどの基準のサービスを提供するかという企業のコミットメントでもあり、意思表示になります。
価格設定の正しい手順
以上のように価格設定はブランド戦略であり、事業戦略でもあります。
本来あるべき価格設定の手順は
- 顧客にどのような価値の製品・サービスを提供するか
- その価格はいくらなら顧客に受け入れられるか
- その価格で提供するためには原価をいくら以下に落とさなければいけないか
になります。
上記の手順を踏むことで、顧客にとって価値があり、事業戦略とも紐づいた価格設定をすることができます。
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