安倍政権が実施しているアベノミクスを理解していない人は案外多いのではないでしょうか。
大型の政策を読み解くことは投資方針を決める上でとても重要になります。
アベノミクスが何なのかを知ることにより、今後の政策がどのように株価や物価の経済に影響をするかを考えられるようになります。
アベノミクスがわかると今後の株トレードを実施する際の方針にも役立つでしょう。
それでは早速ですがアベノミクスの大きな政策を見ていきましょう。
3本の矢の中身
アベノミクスは3本の矢という政策により成り立ちます。
- 金融政策
- 財政政策
- 規制緩和
金融政策
「金融緩和で流通するお金の量を増やし、デフレマインドを払拭する」という目的で実施されている政策です。ここでの大きな施策として
- マネタリーベース2倍
- マイナス金利
という2つの政策があります。これを実施することによりインフレ率目標2%を目指しています。
マネタリーベースという難しい言葉を使用していますが、要は市場でのお金の供給量を2倍に増やそうという政策です。ただし、日銀が発行する紙幣を2倍に増やしただけでは、市場での供給量はそれほど高くなりません。なぜかというと中央銀行である日銀が発行する通貨は、市中銀行(一般の銀行)を介して市場に投入されるため、プラス金利の中では市中銀行は中央銀行にそのまま預けていた方が彼らの利益になるからです。中央銀行に預ける以上にメリットのある投資・貸付先が市場になければ、必然と中央銀行に預けたままになってしまいます。
その対策として取られたのがマイナス金利です。ここでいう金利とは一般の銀行が日銀にお金を預ける際に受け取る金利です。つまりマイナス金利導入により一般の銀行は日銀にそのままお金を預けていては金利を支払わなければいけなくなるため、無理矢理にでも市場でお金を貸し付けしていく必要があります。
お金の市場への投入はこの2つによって成立をしたわけです。
財政政策
「約10兆円規模の経済対策予算によって、政府が自ら率先して需要を創出」という目的で実施されている政策です。
国土強靭化を目的として公共事業投資による雇用創出とETF(上場投資信託)買い付けによる経済の活性化を目指したものです。
コロナによるさらなるETF買い付けも発表されています。
規制緩和
「規制緩和等によって、民間企業や個人が真の力を発揮できる会社へ」という目的で実施されています。1億総活躍社会や女性の活躍等が掲げられています。
アベノミクスの狙い
アベノミクスの狙いはもちろん経済活性化もありますが、最大の目的は日本の1000兆円を超える借金にあるというのが推測です。
インフレは実質のお金の価値の目減りのため、お金の価値が目減りすることは借金額が減少することを意味します。
また、日本政府は米国債を100兆円以上持っているとされているため、マネタリーベースを増やすことで円安となれば外貨建て通貨の価値も高まることになり、企業でいうところの貸借対照表は健全化されることになります。
政策により起きている事象
2012年12月から始まったとされるアベノミクスで実際はどのような影響が及ばされているでしょうか。
インフレ率は概ね1%未満で推移しています。
スーパー、コンビニ等では価格は据え置きで容量減により対策されている製品が増えており、実質インフレは起きているという印象です。
一方でインフレは物価上昇と同様に給与も上がるのが一般的ですが、給与上昇という形でインフレの恩恵を受けていない人がほとんどではないでしょうか。
アベノミクスの恩恵は企業の利益の内部留保という形で企業までで止まっているのが現時点まで起きている現象になります。
資産運用対策
これまで政府が実施している政策とそれにより現時点で起きている現象を解説していきました。
それでは我々のような一般市民・消費者は今回の大きな政策の中でどのような資産運用・ポジンションを取り、資産形成をしていくべきでしょうか。
安定的な物価目標2%を引き続き掲げているため、当面、現在と同じような政策は続くことが見込まれます。
そのため日本政府と同様のポジションをとることが一つの解となります。
つまり日本円は今後、価値が目減りすることが予想されるため、インフレに強いとされる株式、不動産、金、外貨を持っておくことが重要です。
現時点のタイミングではコロナ渦の相場もあいまっている為、判断は難しいですが、長期目線では日本円以外の資産を積立ていくことが重要と考えられます。
リスク
マイナス金利導入や多額のETF購入で政府の打ち手はなくなっており、政策の出口が見えていないという事実もあります。株式はコロナ渦の企業業績に対して割高な水準のバブル傾向にあるという見立てもあります。短期的にはバブルも考慮した資金管理が大切であることは付け加えておきます。
これから資産運用を始める方は一つの手法として高配当株投資がありますので次の記事も読んで見てください。
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